豆炭コタツ一酸化炭素検証

ADIA

2009年01月14日 16:30

今回の年越しキャンプは豆炭コタツを使わずの雪中キャンプでしたが、改めてコタツの快適さを再確認するキャンプでもありました。
これまで何回も豆炭コタツを使ってきて、一番解決したい問題は睡眠中の火床(火のついた豆炭が入るコタツの中心部分)の置き場でした。
タープを張っているときはいいのですが、雪の降るキャンプでタープを張ることはまずありません。
しかし、外に出して濡れない場所が必要です。
そこで去年の雪上キャンプでは防水シートで使った倉庫用タープを作りました。
なかなか便利でしたが、これさえも仕事が増えるのでなくしたいのが本音です。


そこで今日は根本的に豆炭コタツが一酸化炭素中毒の観点から、どの程度危険なのか検証してみました。


午前9時室温2℃(コタツ布団から30cm離れた床での気温)
コンクリート床に防水シート、マットを敷き、豆炭コタツ、フリース毛布、シュラフ改造掛け布団と、気温も含めて寒いときのキャンプ場にかなり近い条件です。


12個の豆炭には表面5割ほど着火、コタツにセット、火床の空気取り入れ口全開にしてコタツにセットしました。
追記:豆炭の数12個は最大の場合で普通は温度が上がりすぎるので9個の使用がいいそうです。

15分後 コタツ内は10℃に上がりました。
室温10℃に置いてあった一酸化炭素警報機をコタツ内に設置しました。
この時、内部の空気を入れ換えないよう、掛け布団の下からそっと一酸化炭素警報機を入れています。

警報機設置後10分 コタツ内25℃ 室温2.1℃ 警報器無反応

警報機設置後20分 コタツ内29℃ 室温2.2℃ 警報器無反応

警報機設置後30分 コタツ内33℃ 室温2.6℃ 警報器無反応

警報機設置後40分 コタツ内36℃ 室温3.0℃ 警報器無反応

警報機設置後50分 コタツ内37℃ 室温3.0℃ 警報器無反応

ここでコタツ内温度が一酸化炭素警報機の作動温度限界に近づいたので1つ目の検証終了です。

この時点での豆炭は、一部にわずか黒い部分が残っている状態で、この1時間が一酸化炭素の発生する可能性が高い時間帯だったと思われます。


次に2つ目の検証です。
今まで入っていた豆炭(火床)を取りだし、空気も入れ換えます。


火床に入れない裸の豆炭に表面5割ほどに着火しました。


下には合板と餅焼き網、上には穴の開けた鍋を被せました。
そして、これをコタツに中に入れます。

8分後、コタツ内20℃ 一酸化炭素警報機の警報が鳴りました。


この結果考えられるのは、このコタツに使われている火床内の触媒が私の予想以上の効果を発揮しているらしいことです。

火床からの一酸化炭素発生が非常に少ないことがわかれば、わざわざ外に出すことなく、空気取り入れ口を最小にして、掛け布団を上げて置けば安全に寝られそうです。
もちろんベンチレーターがある大きめのテント、そして一酸化炭素警報器を使う前提です。

着火後しばらくは豆炭に火が回る時間で一酸化炭素の発生が多いはずですが、夕食を準備している頃で出入りも多く何の問題もありません。
就寝時は着火後数時間が経ち、完全燃焼している可能性が高い時間帯です。

しかし、私の使っている初期モデルのティエラはベンチレーターがなく、雨でも降れば寝ている間は締め切ってしまいたいため不安が残ります。
窓を開けても雪が降れば窓のメッシュが雪で塞がると思います。
そんな訳で、ベンチレーターがある大きめのテントに買い換えた時可能になることです。

しかし、窓を少し開けておける天気のいい日なら今の初期型ティエラでも可能です。
こう考えると、作業が1つ減り、朝起きればすぐにコタツに入れます。

そこで安心のため、このコタツメーカーのお客様相談窓口への電話しました。
詳しく内容を説明すると、工場の技術関係の方からお電話を頂くことができました。

詳しい数値などは許可をもらっていないので明記しませんが、豆炭コタツの火床に使われる触媒は一酸化炭素を二酸化炭素に変え、中毒を起こしにくくする働きがあるそうです。
いくら触媒が使用されているとはいえ、一酸化炭素がゼロになるわけではありませんが、一酸化炭素中毒になる数値に達するには豆炭コタツの中に潜ってさえ、かなり長く時間必要なようで、普通不可能なほど長い時間です。
(1泊のキャンプなら自宅に帰っています。)

私の出した結論は、換気を十分して、一酸化炭素警報器を使う限り、就寝中も問題ないというものです。
そして、触媒使用の豆炭コタツに限ってですが、他の火器とくらべ安全なことを確認しました。
豆炭コタツを購入される場合は火床に触媒が使用されていることを確認してください。
そして、触媒は劣化する前に交換をお勧めします。



ご注意:テント内の豆炭や練炭の使用は一酸化中毒の危険があり非常に危険です。もちろん他の火器も同じように危険です。ご使用になる方は充分注意をして自己責任でお願いいたします。

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